木母寺では、不動明王に乞い願い、火の力を通じて煩悩を焼き払い、大願成就、幸福や除災を加持祈祷する不動護摩供を修法します。
木母寺に伝わる「梅若丸伝説」は室町時代より隅田川物として能楽をはじめ浄瑠璃、歌舞伎、謡曲などの演目として盛んに上演されてきました。
この隅田川物を上演する際に役者が梅若丸親子の供養と興行の成功ならびに芸道の上達を祈念して「木母寺詣」を行ったことから、江戸時代頃から「芸道上達」「学業精進」の祈願寺として信仰を集めています。
また、梅若親子の慈悲深い絆、愛にともない、子供の成長祈願を厳修しています。
木母寺のご本尊は慈恵大師良源といい、正月三日に入滅されたことから元三大師と呼ばれています。元三大師は厄除けの大師として知られていますが、こんな霊験談があります。
疫病が流行していた永観2年(984)のあるとき、疫病神が元三大師にも襲いかかってきましたが、大師は恐ろしい鬼の姿となり、疫鬼を退散させました。そして、鏡を取ってこの時の形相を写し「我が鬼像をおけば魔は近づかず一切の厄災から逃れるであろう」と宣告しました。
この時の姿を写し取ったのが角大師のお姿です。このお姿のあるところ、あらゆる邪気悪霊が近寄らないことから、厄除け、家内安全、病気平癒、交通安全、商売繁盛等、幅広くご利益があります。